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2010-02

◆サントラ【8】シンドラーのリスト


実は、こないだようやく「ミュンヘン」のDVDを見まして、

世に言われていた「ラストシーンに世界貿易センターが映っている」件をころっと忘れていて、見終わった後に気付いてもう一度みなおしました。

CGで再現されているんですが、遠景にぼんやりと見えるだけなので、日本人であの演出がわかる人はどれくらいいるんだろうか。と思ったぐらいです。ニューヨーク行った事ないもん!
さりげないぜ。バーグ。確かにあからさまに見せたらお客さんも引いてしまうし、あのさりげなさが、絶妙だったんだろうなー。と思います。あれだけさりげなくても、きっと全米にとってはかなり重かった事は言うまでもないでしょう。

そんなさりげないスピルバーグさんですが、

久々に音楽と共に「シンドラーのリスト」を回顧してみたいと思います。

シンドラーさんは最初は単に労働力ほしさにユダヤ人を収容所から自分の工場へ移動させてましたが、そのうち収容所で起こっている事態を徐々に知り、気持ちに変化が起きて、命を救うために収容所から一人でも多く出そうとします。

最初に見たときは僕は中学生だったから、「収容所の衝撃」の方が大きく、「男、シンドラー」にはさほど注意を払わなかったのですが、
やっぱり、最近になって身にしみるのはラストのシンドラーさんの号泣シーンです。


自分が救った大勢のユダヤ人たちにかこまれながら、
何を言うかと思ったら、シンドラーさんはわなわなとして
「もっと救えたかもしれない」とひどく後悔するというアレです。

で、映画の「ガンジー」でガンジー役をやった・・・(名前が出てこない)・・メガネの人に「十分よくやりましたよ」といわれるシーン。

決して最初から善人ではなかったシンドラーさんが、気持ちの変化と共にいろいろやってきて、最後の最後に「まだ足りない!」と後悔する。
映画の進行にあわせて、シンドラーの気持ちの変化をある段階まで持っていってラストで爆発させる、みたいな。
映画としてはそういうまとめ方です。だから「善人の伝記映画」というよりは、「善人になる過程の映画」であって、その最後は、充実感でも達成感でもなく、「もっとやれたかもしれないのに」というすごい後悔でありました。このギャップが映画のエンディングとして盛り上がるのは言うまでもなく。いかにも映画的ではあるものの、名場面なわけです。


 --- I didn't do enough.

 --- You did so much.


ベン・キングスレー(←名前思い出したw)の目がいいです。


シンドラーさんは「このクルマで、あと10人助かったかもしれない、このピン(バッヂ)は金だから、2人・・・」という感じで、「まだやれたのに・・・」と、ひどく凹みますが、
この、ピンバッヂ=命2人分 という現実も重い。ああ重い。


今になって僕も理解しましたが、
このシーンが強調してる
「もっと、助けられた」という事が表している、
「助けようとしたらきりがない」という現実は、
「助けられないほど多くの人が不幸になってしまった」という事の裏返しで、
そこがもういろんな感情がないまぜになって泣けてしまうんだな。。と言うことでした。


映画全体としてみると、例によって「スピルバーグ文脈」というものが存在するかどうかはわかりませんが、いい意味で、「スピルバーグ文脈内で見事にまとまっている」という感があると思います。つまりそれは、他の介在を許さないほどに説得力を持って完結しまくっているわけです。いい意味でw
だって冷静に考えて、こういうやりとりが実際にあったのか?と問われれば、なさそうだし。それでも事実より「表現」が、実際の事をリアルに訴える場合があるじゃない?wそれをアートと呼ぶのかもしれないね(←偉そうに)。いやもしくは、つまりそれがバーグよるバーグのためのバーグ魂なのかもしれないね。



というわけでスピルバーグ文脈を見事に補強したテーマ曲。






本編みてない人向け
指輪には 「一人の命を救う者は、世界を救う」 と書かれています。




っていうかここまで書いたら勢いで次ぐらいに「プライベート・ライアン」 について述べなければいけないような気がしてきましたが、

そんな元気も知能もない。

あと、正直 「映画音楽」について印象に残っているのが、
昔見た映画ばっかりなんです。なんでだろう。

◆サントラ【7】腹筋が死す。

タイトルはニコ動のタグより頂きました。


寺山修司監督作品 「田園に死す」(1974)は、ようするにアングラな映画です。

でも、実際は「ATG」という、割と資本と作家が集中していた会社(レーベル?)がアート系の映画を積極的に作り、広く公開した時期がありまして、その作品群の一つなので、そういう意味ではアングラではないかも。

私にはこれ以上説明できません・・・w

まぁ、とにかく逝ってみましょう。


不気味な映画なのでそういうのが苦手な方は試聴は遠慮してください。
責任は負いかねます・・・・。




でも、ニコ動のやつもつけておきます、

ニコ動版で同じ動画を見るとなぜか爆笑ですww


え?ストーリーの説明? 覚えてないってwww 記憶できるような映画ぢゃねぇってww

確か、作家(監督?)である 「私」 が、自分の少年時代を映画化するという課題に直面して、回想やら妄想やらがごっちゃになるというような内容です。

なにしろ、全編にだだよう「恐山テイスト」が秀逸ですw

サントラも、時代の最先端をいきすぎ、リバプールやらモータウンやらウェッサイなど眼中にないイッツ 「恐山サウンド」 。




問題のひな壇シーンは 1:30 秒ぐらいからです。


■ユーチューブでみる





■ニコ動でみる






しかし、「流し雛」という風習ともからめているとは思いますが、

にしても直喩すぎて困りものです。



とかいってたら同映画のサントラがあったのではっておきます。

最初の「こどもぼさつ」は・・・ (・。・  な感じです。




ああこわい、こわい・・・こわい・・・こわい・・・・



「こわい」 っていう文字自体がこわくなる瞬間って、あるよね。







寺山ファンの方いたらすいません。

僕はこの映画のビデオをむかし購入し、今でも大事に持っていますので、許してください。
「ポケットに名言を」も買いました。許してください。

許してください・・許してください・・・(以下アングラ風

◆サントラ【6】とんでもないさだまさし

私の中で映画の「三大ひっくり返ったシーン」がありまして、


○ひとつは「リング」のテレビから貞子が出てくるシーン、
 こわかった。

○もうひとつは「田園に死す」で赤ちゃんを川に流した後に、
川上からひな人形の五段飾りが流れてくる、直喩すぎて困るシーン。
(いずれ紹介します)

○そして最後に「二百三高地」のさだまさし挿入歌シーンで
ありますが、


今回は3つめの「二百三高地」のシーンを紹介します。


この映画は日露戦争を題材にした大河映画なので、見ごたえ十分の歴史大作です。
なおかつオススメなのは、
歴史にうとい人にもよくわかる解説風ナレーションから、俳優個人個人の演技の迫力、そしてシーンごとのやりとりや、引きの風景ショットなど、細部にいたるまでちゃんと工夫と見やすさを追求しており、ハリウッド歴史大作映画に近い「安定した大作」といえる点です。

ようするに大きくどーんと見せるところは見せ、小さい部分にも手を抜かず上手に表現するという、バランスがとれている作品だと思うわけです。

最近の日本映画ではみられないよい点がいっぱいあるので、
若い人にぜひ見て欲しい1品です。


しかし、そんな“安定した”大作である「二百三高地」にも、
常軌を逸したぶっとび演出がありました・・・。
ある意味、映画のボルテージがてっぺんを突き抜けた瞬間ともいえるでしょう。


映画の中盤、あおい輝彦が夜中に死体の山を徘徊する場面。
激戦の渦中、あまりの大量死に呆然としています。


とちゅう、倒れていたロシア兵が「たのむ、、殺してくれ」といって絡んできます。
びっくりしてとまどっていると「なんだ、できんのか!」とロシア兵にののしられたりします。


はっきりいってここまでは「戦争映画によくある風景」みたいでベタなんですが、


そのやりとりが終わった後に、まさかの神がかり的な流れがはじまります。

もうなんていうか神演出をやる前に
わざとベタ演出を配置したとしか思えない。←という神演出w


死体の山から日本兵がむくりと起き上がってきます。
顔は焼けただれていて、誰だかわかりません、


死体が一言
「旅順要塞は、、、おばけやしき だ、誰も生きて帰れん、
・・・・誰も生きて帰れんぞ!!」

と小さく叫びます。

で、ここから

・さだまさし「防人の詩」スタートで絶望感MAX
・起き上がった死体の人撃たれて死亡
・自分も撃たれるかもしれないのに放心状態でさまようあおい輝彦
・歌詞テレロップで流れだす
・間奏の間は歌詞がないので画面まっくろ(その間30秒)

・歌の2番で映像が出ると思ったら また歌詞 (ええー)

・サビで歌詞ずっと見せられる。


という流れです。

たしかこれは映画の真ん中らへんだったので、

ここで前半部終了と言いたいのだという気もします。
さらに、上映当時はもしかしたら、ここで休憩タイムに入ったのかもしれません。


それにしても、すごい流れでした。

30秒間真っ黒な画面を見たのははじめてでした。



それではユーチューブじゃないけど動画サイトにあったので
貼り付けておきます。

最初から該当のシーンがきますのでちょうどよかったです。
あと、顔の焼けた人はグロいので弱い方は注意してください。

http://www.56.com/u47/v_MjA5NzA5NjQ.html


問題のシーンのあとの、子供たちが遊んでいるシーンも、
やっぱり上手な対比があったりして、名作だ。と思わせてくれます。


最近の泣ける邦画系の映画でも、
このぐらいやってほしいと思います。実際。

歌詞全部出しとか。

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